「うう、あっ、ああっ、出る、うぅぅ、出るう…!」
めりめりめりっ。ほんとうに出てきてしまったウンコを和久田さんはせき止めようと、必死に声を押し殺して耐えている。風呂場の床に山盛りに出してしまっては旅館の迷惑、そして66年の人生の大恥になるからだ。
でも大丈夫。お父さんのウンコは器具の管をぱんぱんに膨らませながら袋の中を目指してゆっくりと進んでいるから、匂いさえも外に漏れ出ることはない。今現在匂うのはお父さんの尻の割れ目だけです。どうぞ精一杯踏ん張って山盛りのカレーライスを作ってください。
むりりりむりむりむりりりりっめりっめりっめりりりりりっ。抵抗むなしく浣腸液の刺激によって一本の太いバナナがひねり出された。自宅の大画面で見るのもいいが、やはり生の排便を目の当たりにすると便を押し出す肉穴の卑猥さが違う。管を通って、10cmくらいの長さの硬くて茶色の大便がごろりと袋に収まった。
穴はまだ閉じない。腹がぐるるると鳴り続ける中、第二波が見えてきた。奥から黄土色の下痢がマグマのように吹き出しそうに泡立っている。
親父さんの急場を眺めながらさっき触った指の匂いでも嗅いでいよう。くせっ、ウンコを出させるために蟻の門渡りまで指を差し込んで割れ目を触ったから指は臭い。ケツ穴の匂いに加えて60代の男の臭いフェロモンがたっぷりだ。
「…ああ!出る!」
とうとう和久田さんが便意に屈した。ふんっと力むとまた肛門が盛り上がり、マグマの噴出が始まった。汚らしい屁を伴って。
ぐぶびいぃぃぃぃびちびちびちびちびちぶじゅじゅじゅぼぶりゅりゅりゅりゅりゅ!ぼぶりゅりゅりゅりゅりゅぶじゅじゅじゅじゅじゅぼぶりゅりゅりゅりゅりゅ!
トイレで聞いてもすごい排便音に違いないが、温泉内に盛大に響き渡る親父の下痢の爆発音はすごかった。それだけ黄土色の勢いもすさまじく、袋の中の茶色いバナナをあっという間にミートソース漬けにしてしまった。
ぐるるるるるぐるるるるるぐるるるるるぐぶびいぃぃぃぃ。腸の中はまだまだ泡立っている。浣腸液を吸収した腸壁が昨晩の便を全て排泄しようとしているのだ。
和久田老人はうんうんとうなりながら次の便意と戦っている。屈めた背中は腕とは違って日に焼けてはいないがやはり地黒で男らしい。頼りがいのあるお父さんの背中は苦しい便意に震えていた。
うぅぅっとひときわ大きな声を上げると、飴色の肛門が3度目の盛り上がりを始めた。
ぶいぃぃぃぃぃぃぶいぃぃぃぃぃぃ!長く水っぽい屁を漏らしながらどんどん盛り上がる和久田さんの迫力満点の穴。今までで一番の膨らみだ。本人も、うぅぅんとかなり力んでいる。ワキ辺りに汗をかき始めたか、むうっと親父の加齢臭まで漂ってきた。
穴の中をのぞき込むと、まだ近くまでは来ていないが柔らかい腸の向こうに相当の下痢糞が下りてきていそうだった。頑張れ、和久田さん。
びぶりりりりりりりっ!尻が震え、温泉内に66歳の下品な屁の音が鳴り響く。女湯に誰か居ないか心配になるほどの大破裂だ。
屁の突風に合わせて汚い水がぴゅっぴゅっと穴から出てきた。すると、ようやく肛門のところまで大便が下りてきた。というより、黄土色と茶色の混合物の大群が押し寄せてきていた。
ぐっと盛り上がった禿げ親父のケツの穴が、器具をくわえ込んだままで肉のヒダを全開にする。親父さんも大きな尻をくっと上げて谷間を見せ、力みの体勢に入る。
「ぐうぅぅぅぅ、出る、出る!糞が、出るっ!」
べぶうぅぅっ!ねちねちねちぼぶりゅりゅりゅりゅりゅ!むりりりむりむりびちびちびちぶじゅじゅじゅ!ぶりりりりりびちびちびちびちめりめりめりめりぼぶりゅりゅぼぶりゅりゅぼぶりゅりゅりゅ!
びぶうぅぅびちびちびちびちびちびちぶじゅじゅじゅぶじゅじゅじゅぶじゅじゅじゅじゅじゅ!びちびちびちびちびちねちねちねちねちめりめりめりむりむりむりりりりりぼぶりゅぼぶりゅぼぶりゅぼぶりゅぼぶりゅりゅりゅりゅりゅ!
満員電車で作ってもらったカレーもそうだったが、やっぱり和久田さんのウンコは下痢と硬い糞が入り混じっている。このお父さんは毎日こんな大をしているのだろう。
妻の手料理は揚げ物が中心だろうか。晩酌の癖があるなら、下痢と固形物が入り混じるのも当然だ。今回も相当臭いに違いない。
「うふうぅぅぅ。」
気持ちよさそうな声を出して和久田さんの小太りの腹が弛緩した。器具を抜くべきか迷ったが、まだ穴が閉じていないので様子を見ることにする。
66歳の男のケツの穴がくぱくぱと動く。その奥で、ぐるるるるうぅぅぅ…、と怪しげな腸絞りの音がする。もう一波ありそうだ。
和久田さんが禿げ頭を泡立てる手を再開した。ウンコの匂いがしないためか、床にウンコが散らばっていないのが分かったのか、案外と余裕を見せている。
そして、シャンプーをしながら肛門に力を込め始めた。こちらも再度割れ目に指を差し入れて親父の蟻の門渡りをぐっと押してやる。ケツ穴が開き、褐色のいかにも苦そうな下痢便が見えてきた。
「うぅぅ、んぐうぅぅぅぅ、ああっ、出るっ!」
しわがれた野太いうめき声を上げて和久田さんが突然座面からほとんどはみ出るほど尻を後ろに押し出した。背中をうんと丸め、無防備に突き出した大きな尻をさらにぐっと持ち上げ、谷間全開の洋式排便体勢を風呂椅子の上で取ると躊躇いなく思いきり力んだ。
「ふんんっ!!」
ぐぶりゅりゅぐぶりゅりゅぐぶりゅりゅぐぶりゅりゅぐぶりゅりゅぐぶりゅりゅむりむりむりむりりりりりめりめりめりめりめりりりめりりりむりりりりりねちねちねちねちねちびちびちびちびちびちびちびちびちびち!べじゅうぅぅぅぅぅぅ!
終わった、と直感した私は無造作に器具を抜き取り、まだ盛り上がったままのヒダに糞カスがべっとり付いている排便直後の尻の穴を指で素早くぬぐってからガラス戸へ向かった。風呂場を出る直前に見た和久田さんの尻は渾身の排便体勢から座面の位置に戻りつつあった。ドアを閉めた向こうでシャワーの音がする。和久田さんがシャンプーを洗い流して犯人を追いかけてくる前に私は男湯ののれんをすり抜けた。
最後に和久田さんが出した物は、大量の下痢と1本目よりも太くて長いバナナだった。腹の奥にこんなにたくさん溜め込んでいたとは。うん、袋がとても温かい。うまそうだ…。
結局、またも5本のウンコと袋いっぱいの下痢糞を手に入れることができた。満員電車のお父さんにまた会えたうえに名前も分かり、日頃の便の状態や肛門から外へ具やルウをひねり出す様子を詳しく知ることができた喜びは大きい。
糞カスですっかりべとついた下痢臭い指をしゃぶりながら、その喜びと禿げ親父の下痢の苦みを味わった。
彼の妻が先に食堂から出てきたのを確認した私はすぐさま和久田さんの隣に歩み寄り、朝食の横に今朝のカレーライスを置いた。親父さんの腹の中に入る前と腹から出た後が比べられるシュールな光景だ。
「お前か…。」
和久田さんは犯人を特定した。満員電車での恥辱も思い出したらしい。優しげだった顔を固く紅潮させて驚きの声を噛み殺している。
「和久田さん、ほんとうに山盛りのカレーライスをありがとうございます。下痢糞たっぷりでおいしいですね。」
名前を呼ばれ、自分の排泄物を見せられてその使い道まで知らされたお父さんはさすがに目を白黒させた。食事にも手が付けられなくなってしまったようだ。
「…おいしいもんか。」
そう強がるとトレイを持って席を立った。私は言った。
「ぜひまた会ってください。連絡しますから。」
「断る。」
和久田さんはきっぱりと答えて歩き去ろうとした。その鼻に彼特製のカレールウを塗りたくる。
「くせっ!」
「和久田さんご自身でお漏らしになった下痢ですよ。私はあなたが温泉の床にウンコをぶちまけてしまうところを助けたんです。お尻ぐんと持ち上げてものすごいめりめり排便したのに洗い場は汚れていなかったでしょう?また会ってくださいますよね。」
和久田老人はあまりの臭さに鼻をふがふがさせた。お前が悪さしたから俺は、と言いたげな目だ。
「分かった、また会ってやる。だから早く鼻をぬぐってくれ。臭くてたまらん。」
私は一歩前に出ると和久田さんの紅潮した顔を両手で挟み、下痢まみれの鼻にむしゃぶりついた。ううっ、と小さく悲鳴を上げるが、トレイを持ったまま呆然と立ち尽くす老人。
それにしても和久田さんの下痢カスは苦い。晩酌のやりすぎだな。立ち尽くした彼を残して、私は下痢カレーの袋をぶらぶらさせながら悠々と食堂を出た。