出先から戻る途中にラーメン屋を見つけた。
夕方とあって客の入りもまあまあだ。室外機から吹き付ける豚骨の香りに、思わず食欲をかき立てられる。
けど、待てよ。この濃厚な肉っぽい匂い、どこかで嗅いだことがあるような。
のれんをくぐりガラス戸を開けると、店員たちの気合いの入った挨拶に出迎えられ、同時に向こう側のカウンターでずるずると麺をすすっている大柄な中年男と目が合った。
「おお!変態じゃねえか!」
舘先生の声がでかすぎて、店内の客が一斉にこちらを振り向く。慌てて店を出ようとする私の様子を見て、先生が太い眉を上げてげらげらと笑っている。
「こっち座れよ変態!ほら、来いよ!」
舘先生が示した隣の丸椅子に私は腰掛けるしかなかった。こちら側にあるメニューがゴツい手に取り上げられ、たたきつけるようにして私の前に置かれた。
何にするよ?と聞かれてふと隣の器をのぞき込む。やっぱりだ。先生は今晩も豚骨ラーメンだ。
「舘先生はまた豚骨なんですね。」
私の顔には少しの笑みが浮かんでいたかもしれない。色の濁ったスープの中にひしめく野菜・チャーシュー・海苔。これがそのまま中年親父の臭いウンコの中身になるんだ…。
「にやにやにやにやしやがって気持ち悪い奴だな。俺のラーメンに何か入ってるのかよ。」
「あ、そんなににやけてました?いや、先生のラーメンに何か入ってるんじゃなくて、先生の太いウンコの中に入ってるのがこのラーメンなんだなあと思って。」
舘先生の角張った顎が二、三度動き何か言おうとしたが言葉にはならなかった。店で怒鳴るわけにもいかないからだろうか。そして、ふうっ、と深く息を吐いてから、低い声で脅すようにこう言った。
「いいから注文しろ。おごってやる。」
夕暮れを過ぎた空には残暑の蒸し暑さをくるんだような分厚い雲が立ち込めていた。新月に当たるらしく、2学期が始まる前のずいぶんと暗い空の下、私と舘先生は駅を通り過ぎた川沿いの古い道を歩いていた。
「ああ食った食った。」
舘先生は鼻歌でも歌い出しそうな上機嫌で180cmの巨体を揺らし、面積の変化を確かめるように右手で自身の広いおなかをさすっている。麺以外は頼んでいなかったはずだが、まるでビールでも引っかけて帰宅する駄目親父みたいだ。
「舘先生はほんとにラーメンがお好きなんですね。」
私がそう聞くと先生は顔をほころばせた。
「おお、お好きだぞ。一昨日も食った。仕事帰りはたいてい小腹がすいてるもんだからな。学校出たらすぐあの店にGOだ。」
「えっ?じゃあ、先生の勤めてる中学校ってさっきの駅の近くの学校なんですか?」
ぴたりと足を止めた大男がこちらに怖い顔で振り返った。
「あ?そうだよ、なんか文句あっか?」
「文句はないですけど、舘先生の職場が分かってうれしいです。私の家からも車で来れる距離だし。」
「けっ!」
ぶうぅぅぅぅっ!
先生が屁をこいた。とたんに50代親父の太い腸に溜まっていた濃い肉質のガスが辺りに広がった。臭い。
「絶対来るなよ。来たら屁をふっかけてやる。」
この前も、遊歩道には来るなって言われたっけ。でも今、こうして臭くて男らしいガチムチ先生と再会できた。
私が鼻を大きく膨らませてすうすうと屁の匂いを嗅ぐのを見て、先生は昼間の顔で「こら!」と一喝した。中学生でもないのにまた怒られた私。二人ともなんとなく笑顔になる。
「お前、店に入ってきた割にはあんまり食わなかったな。腹減ってなかったのか?」
「いえ。」
私ははっきりと首を横に振った。
「隙間を空けておいたんです。あの店の前を通ったとき、舘先生のウンコの匂いがしたんです。どっちがおいしいか、食べ比べてみたいですから。」
んぐぶうっ!
潰れた音の屁がジャージズボンの後ろを短く震わせた。巨体をふらりと揺らし、「こっち来い。」と言いながら左手に現れたコンクリートの階段を先生は降りていく。
点在する石ころに注意しながら私も後に続く。川辺を掃除するため以外にはめったに人の立ち入らないであろう狭い川原があるだけだった。土手からは5mほど低くなっているのでコンクリの壁際では民家の明かりも届かない。
舘先生はその壁のほうまで歩いていくと、川辺に居る私に背中を向ける形で壁にぴったりと張り付いた。以前に立ったままウンコを漏らした大木の陰での体勢とほぼ同じだ。
黒い巨体の真後ろに近づき、ジャージのズボンの上から丸々と張り出した尻の山をさわさわと撫でる。舘先生は何も言わないし微動だにしない。
では、これなら微動してくれるかな?私は親父の大便採取用器具を取り出すと、保温ポットから浣腸液をたっぷりと充填した。今日はとことん苦しんでもらおう。
「あっつう…!…くおおう…。」
尻の中に広がる60度の液の熱さに50代の体育教師が早速うめく。ばんと筋肉の詰まった毛むくじゃらの尻肉がブリーフの中でぶるっと微動する。ぬるぬるしたへりの広い穴を触った指は今日も臭い。
デカ尻の前にしゃがみ込むと、親父のズボンとブリーフを膝まで下げ、丸出しになった尻の割れ目をがばっと開きながら器具の先端が穴の中心にしっかりとはまるように調整する。毛深い割れ目の奥から拭ききれていないウンカスの臭い匂いが上がってくる。
ぐぶうぅぅっ、ぐぶぶぐうぅぅぅぅっ。カエルの潰れたような低く不気味な音が尻の中で鳴る。今日は時間もあるし辺りも暗い。腹を最も刺激する60度の熱が中年の疲れた腸にじっくりと染み渡るよう、私はゆっくりゆっくり悪魔の浣腸液を注入していった。
「くっ、うぅぅっ…くうぅぅおぉぉうっ…。くはあぁぁっ…。」
ぎゅるるるるぎゅるるるぎゅるるるるるうぅぅ。刺激された中年の腸が悪い音を立てる。臭い匂いのする尻が、ぶるぶるぶる、と震え出した。
「苦しいでしょう。今日も簡単には排便させてあげませんから覚悟してくださいね。花火大会のときみたいに時間制限もありませんし。尻がバカになるくらい我慢させてあげます。最後はでっかい立ち糞何本も抜き取ってあげますから。ほら、ほっかほかの浣腸液ですよー。」
「ぐっ!ぐうぅぅぅぅっ…。ぐっはあぁぁぁぁっ…。」
ぎゅるるぎゅるるるぐぶぐぶぐぶぎゅるぎゅるぎゅるぎゅるぐぶぶぶうぅぅぅぅ。筋肉親父の濁ったうめき声に合わせて尻の中も濁った低音を上げて一気に下り始める。一日生徒指導に明け暮れた男の太いお通じが、はらわたの奥から直腸を目指して超スピードで下りてくるのだから、溜め込んでいた本人は内臓を絞られるような不気味な感覚を味わっているはずだ。
カレーライスは時間をかけてよく煮込めば煮込むほどおいしくなる。舘先生の尻を使って、臭い立ち糞をことこと煮込むとしよう。周りに人混みもない、この暗い土手の下で。
ぐぎゅるぐぎゅるぎゅるぎゅるぎゅるぐぶぶぶぶぐぶうぅぅ…、ぐぶぐぶぐぶぶぐぶぶぎゅるぎゅるぎゅるるるるるうぅぅぅぅ…。
無風の静かな夜の川原に、静かだが定期的に低くうめくように鳴る、親父の尻の中の音。その音を出しながら、無言を貫く男。私は後ろから男の尻を凝視。
ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅるぎゅるぐぶぐぶぐぶぶぶぐぶぶぶぐぶぶぶうぅぅぅぅ…、ぎゅるるるぎゅるるるぐごおぉぉぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる…、ぎゅるっぎゅるっぎゅるるるるぐぎゅるるぐぎゅるるぶぼおぉぉっ!ぼぶうぅぅっ!
「あっ!」
「くせっ!」
目の前のデカ尻が特段鈍い下り音を立てた直後に臭すぎる屁が吹き出し、舘先生と私は同時に声を上げた。先生はほんとうに糞を漏らしてしまったと思ったようだが、私もほんとうに糞が漏れてしまったかと思ったほど生臭い屁だった。
この親父の腸は常人よりも太いはずだが、必死に引き締めていた尻の中で臭いガスが溜め込める量を超えたようだ。さあ、ここからは屁の噴火を続けてもらおう。私は50代体育教師の臭い穴に60度の浣腸液をさらに注入していった。最初の注入からもう15分は経過している、痙攣しっぱなしの尻の中に。
「ぐうぅぅっはあぁぁぁぁ…!ぐうぅぅっ!おぉぉうっ!おぉぉうっ!ぐおぉぉっ!」
ぶじゅうぅぅっ!ぶべびっ!べびっ!ぶびびぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶり!ぶりぶりぶりぶりぶりぶりぶり!
一度こらえられなくなってしまった腸内のガスは出るしかない。舘先生の臭いデカ尻が生臭い屁の連発を土手の下に響かせ始めた。
くせえなあ。ほら、これはどうだ?器具を握ったまま、熱々の浣腸液を入れ続ける先端部分を穴の中でぐるりぐるりと回転させると、厳つい大男がぐうぅぅっと力いっぱい力んだ。
「ぐっは!ぐうぅぅっふぐうぅぅっ!」
無言ではいられまい。ふふふ。と心中で笑みを浮かべたのもつかの間。
ぶぼおっ!ぶぼおぉぉっ!ぶじゅじゅじゅぼぶっぶりぶりぶりぐぶじゅぶじゅぶじゅぶぼおぉぉっ!
「くっせ!きったね!」
私の顔は臭くて苦い下痢汁まみれだった。舘先生の穴から、浣腸によって大量に分泌された親父の腸液が勢いよく噴射されたのだ。当の親父はぐうぐうとくぐもったうめき声を上げて出っ腹を右手で押さえている。
「糞が…出る…!」
まだですよ。器具の先端を穴の中で開いて固定すると、この男にいつも使っている直腸ブラシを取り出し、器具を介して臭い洞窟の奥へと差し入れていった。舘先生の口から、くおぉぉうっ、と期待のこもったうめき声が上がった。