ひとまず診察室の配置換えをするのでと言って野田さん親子には待合室でお待ちいただくことにしました。
ま、仮の診察室が真の姿である親父責め部屋としての配置換えになるだけなんですけどね。親子が出ていった後、まずは付き添い用の椅子に鼻を埋めてみます。野田さんの座っていた椅子です。
ふおっ!こ、これは…!すごい…。
5分くらいしか座っていなかったと思うのですが、座面の手前側に、46歳の玉袋の体温と匂いががっつり染みついていました。思春期の男の子からは絶対にしない、蒸れた雄玉の獣臭であり男の性臭。
椅子のビニールから鼻へといっぱいに満たされる玉次郎の玉の匂いに、私は思わず時を忘れかけました。ふんふんと、ひたすら嗅いでしまいます。くせえ、と言うにはなんとなく失礼というか、正真正銘の男らしい、男臭い雄の香り。
す、すごいな…。私も結構、男の体をいじってきたほうなんですけど、ここまで玉が雄臭い人は知りません。ジーンズの中で蒸れたせいもあるのでしょうが。新幹線の椅子にしばらく押しつけられていたのでしょうし。
だとしても、野田さんの睾丸は相当に大きいために、常に男の熱い性臭を放ち続けているのだと思います。匂いがズボンの内で充分に換気されないほど。その玉の中に蓄えられる精子の量も、おそらく、いやほぼ確実に、相当に多量であると考えられます。
そして、これは愚推ですが、玉袋の毛がかなり濃く旺盛に生えている気がします。横幅、体長、腕の毛量と、どれを取っても見た目がまさに熊親父ですから。もさもさの硬い縮れ玉毛の中で男の性臭がこもりまくっているんじゃないでしょうか。玉毛の量については後で脱がせてみれば分かること。
ケツの匂いのほうはどうかな?座面の真ん中辺りも嗅いでみます。ううん、ギンナンとまではいきませんが少しぷんと匂っています。
やはり体重が重く、毛が濃いからでしょう。お父さん、息子にでかいケツのケツ毛の奥を嗅がれたらきっと最高に恥ずかしいはず。恥ずかしがらせながら搾り取る精子は、普通に出すより濃くて大量なんですよ?
「すみません、時間がかかっていて。お茶です。飲みながらお待ちくださいね。」
待合室へお盆を持って現れた私に、熊次郎、もとい玉次郎は大げさに両手を挙げて感謝の意を表現します。かなりリアクションの激しいお父さんです。
そんなお父さんの横で兎くんはほとんど無表情。うん、分かる分かる。これだけお父さん熊がうるさかったらそうなるよね。私は苦笑しながらそれぞれにお茶をお出ししました。息子くんには普通のお茶を、そして、玉次郎には…くけけけけ。
「先生んとこは、男性専門ってネットに書いてありましたけど。来てよがったです。」
なんとも人懐っこい笑顔を向けて玉次郎がバカでかい声を待合室に響かせます。うん、よがったね。あと数十分もしたら親父さんはベッドの上で盛大にヨガったねとなるのですが、知らないっていいことです。
そもそも、玉次郎は「中高年男性専門」と書いてある前半を読み飛ばしたみたいですね。うんうん、そんな感じの親父。こういう親父は超わがままか、とことん明るいかに分かれるのですが。お父さんはどっちかな?
「ところで、お父さん。英駿くんに教えたオナニーはどんなものですか?」
「どんな??」
きょとんとするお父さん。
「お子さんのオチンチンを触ったとか。お父さんの物でやり方を見せたとか。」
「ああ!いやいや!」
でかい声で私の話を止めて熊親父がはっきりと言いました。
「センズリだもの!こすって出せって言っただけです。センズリして玉ん中さ溜まったの出さねえと体に悪いからって。
性教育やれって学校から言われたんですけど、私らの子どもの頃はそういうのねえから!先生お若いけど、先生の頃もなかったでしょ?」
そう言ってお父さん熊は高らかに笑いました。
…そんなところだろうと思った。
「センズリ」という言葉が病院中にがんがん響き渡って、確かにほかに患者さんはいらっしゃらないものの、プライバシーもへったくれもありません。
玉次郎にとってはセンズリなんてどうということもない単語なんでしょうけれど…。私は作戦に気づかれて外したときのことを考えつつ、野田さんに一つ確認してみることに決めました。
「じゃあ、英駿くんに教えるとき、お父さんにも協力してほしい場合が出てくると思いますが。お願いして大丈夫ですか?」
野田さんは、「協力」という言葉のところで首をかしげて私の話を聞いていました。これは、気づかれたかもしれないな…。
「えっ、センズリ?私が息子に息子を見せるんですか?ええ、考えたこともねがったけど。」
それを私は願ったわけですけど。
「駿。父さんのチンポコ、見てえか?」
めちゃくちゃストレートに聞くお父さん。それ、性教育をする最初に確かめてもよかったのでは?
そのとき、兎だと思っていた駿くんが、近距離に立つ私にも聞こえるぎりぎりの音量ではありましたが予想以上にはっきりと、こう言いました。
「うん、見たい。父さんが嫌じゃなかったら…。」
「嫌だの関係ねえべ!見てえんなら父さんはいいよ?…だ、そうです、先生。ただ…。」
おっ、わがまま来るか?
「ホモは大っ嫌いなんですよ、私。ですから、男同士はいいので、ホモになる治療は息子には要りません。」
「父さん…!」
兎くんがまた熊に抗議。ただ、断然と言い切るお父さん熊のでかい体に小柄な体を心持ち寄せて、前回よりも寂しげな抗議。
しかも、お父さんのジーンズ越しにケツの横の広いところを手で静かに触っているじゃないですか。あれ、もしかして?
「ははは!まあ、先生が指導してくださるんだから大丈夫なんだべ?任せますよ私!チンポコ出すなら出します!玉次郎、準備できております!」
そう元気よく宣言して、お父さん熊は兎くんの膝を柏の葉っぱ並みの大きな手でばん!とたたきました。安心しろ!のサインみたいです。
…ふう、作戦は外さずに、むしろ万全に進められる模様。玉次郎は、体もでかく、玉もでかく、とことん明るい東北親父でした。
「わ、分かりました。部屋の配置換えの続きをしてきますので、お茶を飲んでもう少しお待ちくださいね。」
ホモは嫌いだけど男同士はいいって、どういうことだろう?体育会系らしい田舎親父の理屈に困惑しつつ、私は誰も居ない親父責め部屋のほうに向かって大きな笑みを浮かべました。
玉次郎がホモを嫌おうと関係ない。くけけけ、その臭い雄玉から熊親父の濃い種をたっぷり搾ってやるからな。くけけけ、息子の前でケツと“チンポコ”を辱めて、なんならあんたの大っ嫌いなホモにしてやるぜ。
なにしろ、息子くんがそれを望んでいるんだから、な!